NADCに行って見ました。

うちの事務所のグラフィック担当のスタッフにNADCに出てみなよ、と参加してもらったので審査会に行って見ました。

NADCとは新潟アートディレクターズクラブというクリエータの集まりで、年に一度審査会を開いて良い仕事を表彰し、その結果を本にまとめたり、クリエーターの交流をはかる団体なのかな。
グラフィックデザインじゃないから、と気にもとめていなかったのですが、最近グラフィック関係の知り合いが増え、うちのスタッフのレベルアップの為に参加した方が良いと考えました。


今年は初めてだから、2点だけ出品してみました。

カバサワの花ハサミと丸栄製粉のうどんのパッケージです。
とりあえず両方とも3次審査まで残ったので本には載せてもらえるようです。入選という事になるのでしょうか。

深く考えずにグラフィックデザイン作品のコンペくらいのイメージで出品してもらいました。

参加する人は、かなり気合の入った作品揃いで出品数もすごく多い。その年に手掛けた全ての作品を出すくらいの事務所も有りますね。


メンバー(私はメンバーではない)が3票ずつ投票していきそこにゲスト審査員の票を食わえ、1票も入らないものは除く方法で3次審査まで進み、上位10点を決めるようです。最終的に選ばれた10点の中から大賞とかゲスト審査員の特別賞とかを決めるようです。

審査は朝10時からお昼を挟んで夕方の4時過ぎまで続きました。
私は付き合い程度の気持ちで参加したので、審査の過程を見るというよりも面識のあるデザイナーの方に色々教えてもらっていました。

その中で気が付いたのですが、デザインのコンペでなくアートディレクションの審査会であるという事です。恥ずかしながら、そんな事すら考えず参加してました。他にもそんな人いますね。クライアントがちゃんといてアートディレクションによって輝きを増した仕事とデザインがカッコいい仕事は別ですね。

ADがどれだけ仕事を魅力的に変える事が出来たのか?を競ってる訳でデザインナーの仕事レベルを競ってないんですね。見ていて良くわかりました。

私自身は今までデザイナーとアートディレクターの区別が曖昧でした。自分の肩書もデザイナーというのにこだわってきました。もちろん、それは間違いでなく、私の環境では工業デザイン(プロダクト/インダストリアル)においてはディレクションなしでモノが作れとは思わなかったからです。
あらためて考えると以前の職場は、営業が仕事を持って来るケースも有ったし、今思えばデザインするだけだったなぁと、でも私の場合そればデザイナーじゃないと考えてきました。

私の場合は、頼まれた仕事を広げたり縮めたり、素材や製造方法を変えたり、ともすれば製造会社や金型メーカーを紹介したり、パッケージ制作、意匠登録、商標登録、果てには補助金を使った資金開発、販路開拓までデザイナーの仕事と考えています。私が関わることで商品が魅力的になる全ての結果が私の責任だと思っています。

逆にグラフィックの世界は分業というか、それぞれの専門分野に分ける事でそれぞれの領域にビジネスを発生させてきたのでしょう。

クライアントの依頼をそのまま絵にする程度の内容はデザイナーだけで良く逆に、制作者側がそれにのスキルが要求され、ある程度の予算がかけられる仕事はADが取り仕切る事で仕事レベルを区別できるのでしょう。

工業デザインにおいてもディレクションという仕事を確立できれば、今後可能性を広げられるように感じました。

本当は私のようにスタッフを抱えて仕事している事務所は本来そうあるべきなのかもしれません。

例えるなら、グラフィックのデザイン事務所は美容院みたいな感じ。スタイリストとアシスタントがいてアシスタントが切ってスタイリストに確認してもらうような進め方。

うちの場合はレストランみたいな感じ。メイン料理とかパテェシエとか其々の工程をそれぞれのスタッフに任せてやってました。其々が専業みたいな感じでやってるから効率が悪いのでしょう。

ディレクションという役割を持たせれば全部自分でやることないんですね。
NADCに参加して変なところで勉強になりました。人とクリエイティブな仕事で比較したりされたりする機会は刺激的だし楽しい。GoodDesignみたいなのとはちょっと違った感じで面白かった。簡単そうではないけど頑張れそうというか。GoodDesignの大賞は無理そうだもの。

来年は対策が立てられそうだからもう少し上を目指します。
楽しみが増えました。


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