J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」12/13(金)にリモートで参加します。
【番組名】 「ALL GOOD FRIDAY」
【放送日時】 毎週金曜日 11時30分~16時
【放送局】 FMラジオ局 J-WAVE (81.3)
【パーソナリティー】 LiLiCo、稲葉友
【番組内容】 週末のカウントダウンが始まる金曜日のお昼から夕方までの4時間
この番組の中で、“CHOYA NATURAL BEAUTY ”(15時10分~25分)
最近湯たんぽのパッキンを紛失し、お湯が漏れるという方が数名いらっしゃった。普段使っていてパッキンを意識することはないですが、写真のように本体側にくっついて(本来はフタ側に収まっている)気が付かないうちにパンキンを紛失するケースがあるようです。パッキンは5年程度で交換しても良いです。クリックポストで送れるので405円で購入できます。
前回も書いたけど、FD STYLEにとって「湯たんぽ」は大きなきっかけになった製品です。それまで、キッチンツールのような金属製品やプラスチック製品が中心のデザイン活動において「糸」辺の製品を扱うきっかけになりました。それまで、私自身は織物と編物の違いも意識したことがなかったし、繊維についてコットンやウール位の大雑把な違いとしてしか認識してこなかった。新潟県において繊維産業は古くから主な産業として続いているものだけれど、どこか他人事でしかなく意識することもなかった。新潟市にも製糸工場が2年前までありました。その工場を何度か見学させてもらいました。古くて雰囲気のある工場は学校も併設されていて、東北各地から集まる女工さんが勉強をしながら働いていたと聞きました。話を聞きながら実際にその痕跡が残る工場を見せてもらうと頭の中にイメージが広がります。燕市の工場でもそうなのですが、歴史を感じる製造現場を見せてもらうとそこで作られる製品のアイデアやイメージにすごく影響を受けるのが自分でわかります。残念ながらこの製糸工場は撮影NGでした。今になると貴重な記録なのでとても残念でなりません。
ニットについても全く知りませんでした。でも良く考えると子供の頃、近所にマガラニットと屋根に書かれた工場はありました。新潟県内はあちらこちらにニット工場があったのだと思います。ただ、そこで作られる製品は製造委託(OEM)であって一般の人が知ることもないのでしょう。この辺は燕三条のものづくりも同様です。
ちょっと話がずれますが、工業デザイン事務所である私たちが商品を流通させるきっかけはこの点にあって、私が30代の終わりの頃、日本酒を製造する友人に「萩野さんのデザインしたものはどこで買えるのか?」と聞かれ即答できなかったことに由来します。私や多くの工場は自分が作るものがどこで売られているか答えられないのです。「それではメーカーとは言えない。」その友人はそうも言いました。新潟県は多くの酒造メーカーがあり知られていますが、それは自社ブランドで販売する蔵元が存在するからです。蔵元はその多くが製造を杜氏と呼ばれる人に任せます。ある種の製販分離でもある。FD STYLEはそして考え方を取り入れて展開しているところもあります。
話を湯たんぽに戻しますが、湯たんぽにとってカバーは単なる付属物でなく、カバーを含めて湯たんぽであろうと考えデザインしたものがFD STYLEの湯たんぽです。お湯を蓄熱しながらも外にその熱を伝える道具としてのステンレス製の湯たんぽは理にかなっています。錆びることもなく、金属の中では保温性があると言われるステンレスですが、当然触れば熱く熱も伝えます。ステンレスの外観は冷たそうに見えるので「暖かそうな」カバーであり同時に肌触りの良いコットン100%の天然繊維のカバーを組み合わせました。暖かなセーターはウールやカシミアでしょうが、編み方をそうすることで暖かそうに見える。ウールやカシミアはその繊維形状によりチクチクしたり、洗濯などの手入れでは気を使わなければならないこともあります。コットンであれば、気軽に洗濯出来て使い続けるうちに独特の風合いになるでしょう。そんな経年変化を楽しめるカバーを組み合わせました。ざっくりした立体的な編目ですが内側に縫製のカバーを組合せることで直接金属が肌に触れることのないカバーです。
最近では洋服のブランドでも天然繊維を使った国内製造のものであれば、それなりの金額になろうかと思います。ファストファッションに慣れた私は当初、新潟のニット工場は何故こんなに高いのだろうと思いました。しかし毎シーズン商品を作り続けるうちに、繊維業界を取り巻く環境を肌で感じるようになり、これは日本の製造業全般が同じ状況であり、少しでも使っていただく人に製品を使って伝えていくことの大切さを感じることができるようになりました。写真のミシンを掛けるところなんて、ニット生地と織地を合わせて躊躇なくダーッとミシンで袋をつくる。見ていて本当にすごい。金属加工のプレスや溶接や研磨は見慣れたせいもあり、ミシンにはほんと「職人」を感じます。
特に今年は最初の製造から10シーズン目の記念すべきシーズンです。あえて最初の「人の手による加工」の多いフォルムに戻して新潟県五泉市の工場(サイフク)でつくりました。サイフクさんはほとんど全ての工程を社内で行う工場です。ほぼ素人の私から見ればやはり縫製がすごい。熟練して技術であっという間に袋が出来上がる。もちろん糸の加工に始まり編機で編む工程や編んだものを洗濯して伸ばして裁断する工程や縫製が済んでからのスチームで平にして1枚ずつ袋に詰める工程、そうそう紐の部分も工場で編んで端の部分も糸で閉じています。全てが手作業です。
湯たんぽ本体とカバーを収める箱も燕市でつくっています。FD STYLE製品は全てが同様に新潟県内で製造しています。なんなら最終のパッキングは全部ではないけどFD社内で行っています。私たちは工場でつくってもらってはいますが、感覚的には「蔵元」です。
今回の放送は電話で取材を受けて私が話したものが編集され「コンパクト」になって放送される予定です。J-WAVEさんには2016年に六本木ヒルズのスタジオで放送に参加させてもらったこともあるし、新潟のラジオ局では何度も放送に参加させてもらったことはあるけど電話取材は初めての経験でした。
新潟市内は今週初めに初雪が降りましたが、積もるほどではなく冬はこれからです。カマキリ等の自然現象では今年の降雪は多いと予測されています。皆さんもよかったら湯たんぽ使ってみてください。
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