スマートシザーの製造メーカへ


昨日、百年物語の懇親会があり三条市内のホテルに宿泊。夕方からミーティングがあり午前中はスマートシザーを製造するメーカーを訪問。
ちょうど、社長が組み立てをしていた。1点1点刃の調整を確認するために薄い葉っぱをカットしながら最終調整をしている。社長と言うよりは職人である。工場は与板(長岡市)になるのだが与板は昨年の大河ドラマ「天地人」の直江謙次の居城があった土地で利器工匠具の製造が盛んな場所であった。今日では職人は殆ど残っていないそうだ。


社長が淡々と作業を進めるところで、色々話を聞く。地場産地で活動するデザイナーの特権だ。
この社長は、のこぎりの製造を10代半ばから続けてきて、職人が減る中、そのノウハウを残すために機械設備を積極的に進めてきた人だ。


例えば、この鋸刃は刃にはあさりを付けていない。あさりとはのこぎりがスムーズに切り進むように鋸刃を開いて刃の厚み以上に幅を持たせる加工であるが、もちろんあさりが無い方が正確に切れる、理屈の上では切れやすはず。でもそれでは木の摩擦抵抗が掛り厚い材料では刃が進まなくなる。この刃はあさりを付けていな分ブレード自体をローラーによって圧延して薄くしている。実際には峰の部分も刃の部分よりも薄い。
この加工ももちろん機械でしているが、発想自体は昔からの職人の知識だそうだ。
日本のモノ作りは奥が深い。
 
そんな社長が1点毎に丁寧に組み立てたスマートシザー、切れないはずが無い。
是非試してみてください。

スマートシザ/FD store


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