手拭を作ってもらっている藤岡染工場へ行ってきました。
新潟はすっかり春、桜も満開です。 手拭を作ってもらっている、藤岡染工場さんへ行ってきました。 新潟から会津へ向かう国道49号線の現在は阿賀市となった水原に藤岡染工場はあります。国道49号線は会津街道とも呼ばれ、新潟港と会津を結ぶ重要な道だったと聞きます。水原は明治になったばかりの短い期間県庁がおかれ、新潟県ではなく水原県でもあった場所。古い街並みに藤岡染工場はあります。 道路に面して店舗があり、その奥に古い工場がつらなうように配置され、独特の風情ある工場です。百年物語でもよくご一緒する藤岡専務が案内してくださいました。 「佐渡の宿根木のようですね」とか言われます、と藤岡専務。奥の工場へと案内していただきました。 「実は一番難しい工程なんです。」藤岡専務。ベテランの職人さんが左側の原反を丁寧にZおりしながら1枚1枚シルクスクリーンの要領でノリをつけて染料が染み込まないように加工します。 右側に大きな釜に入ったノリがあり右上部にあるヘラで丁寧に版にのせてい行きます。 1反から22枚の手拭いが作られるそうですが、それが重なった状態でヌカにつけてノリの水分を取るそうです。 ある程度水分が抜けてから丁寧にヌカを取ります。2反44枚分を位置を揃えて重ねます。 生クリームを絞る要領で染色する範囲を土手で囲いそこに染料を流し込みます。バキュームをかけて丁寧に何回かに分けて均一に仕上がるように流します。片側が終わったらひっくり返して同じことを繰り返します。 柄杓の機能と水差しの機能を併せ持つ独特の形状。キッチン用品に応用できそう! 染が終わったら洗浄です。流水で3段階に分かれた流水の層で竿を使って洗います。藤岡さんでは若い女性の職人さんが活躍しています。 水の中できれいな図柄が浮かび上がります。布のよじれが独特の美しさを作ります。 藤岡さんでは布の風合いを重視して昔ながらの製作方法をとってるそうです。 すべての工程が手仕事。版を作って量産する方法ですが職人の手作業によるところが燕三条の金属製品と共通です。何年もかけ何世代か受け継がれた製法での量産品と言えるでしょう。 工場の2階で乾燥させます。乾燥後は切断してプレス機にかけて伸ばすそうです。