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私達のものづくり

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最近もっと私達のものづくりを知ってもらわないとなぁ、と感じているので実際にどうやってモノをつくっているか製作途中のものを載せてみます。これはペーパナイフで約300個製造します。友人の文具屋さんに「燕三条製のペーパーナイフ無いですか?」と尋ねられたのが切っ掛けです。以前も同じように依頼で探したことが有るのですが、3000円くらいの予算で探すと良いモノはありません。あってもOEM品ではダメだし、普通の工場でフリーであるものはおまけみたいな安物しかありませんでした。この辺が問題で製品は作っていても工場として売る事が出来ません。キチンとした良い製品ほどそうなのです。 無かったら作ろうかなぁと、ササゲ工業の捧大作常務に画を書いて作ってくれと聞いてみました。捧常務は若いのに現代版の職人です。古い技術と新しい技術を融合して継続可能な商品にしてくれます。もちろんFD STYLEに関わる工場は皆そうなのですが、フットワークが良いのと現代の通信手段でレスポンスが良いのも貴重なのです。 それがこれです。4ミリの角材にレーザーで抜いたブレードで300くらいなら金型なしで作れないかと。基本的に作れるとは思っていて「作れる」と「作ってくれる」は人間関係で同じではありません。お金払えばって思う人もいますが、現実にはお金の問題ではありません。この後、図面書いてレーザーのデータを送って実際に1個試作してもらいました。金型なしの手作りなので角材が図面通りに曲がりません。曲がらないなりの形に合わせてデータを修正したものをつくります。片刃なので溶接の高さも変更しました。 私達のものづくりの場合普段は記録なんて取りません。試作する前に刃物材を圧延する工場なども見に行きましたが記録は記憶にとどめます。試作も1個しか作らないから提出したら帰って来ません。1枚目の画から2枚目までに様々な改良を行います。これが日本のものづくりで貴重な工程です。ただデザイナーが図面を書いて工場がその通りに作るというのではありません。1枚目の刃付けのラインと2枚目では私自身が製造方法を知らなかったことによる違いがデザインに影響します。コストを下げる事と作りやすいはほぼイコールです。それと造形的な美しさが合わさる時があります。 結果角材を曲げるのがこの3本ロールです。茶筒で有名な開花堂さんの製造方法