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6月, 2013の投稿を表示しています

日本の良いものブームに思う。

日本の良いものがブームである。 地域を見直し地域資源として活用したり、若者が住める街づくりにリンクした活動も盛んである。 それはそれで良い。ただこういう時ほど気を付かなくてはならない。 行政に予算がついて何処もかしこも同じことをしているからだ。 数年前にふるさと創生の掛け声のもと日本各地に温泉施設が出来た。 秘湯で知られる栃尾又温泉に温泉センターなるものが作られ(今では一部の浴室のみが使われているだけ) 全く秘湯の雰囲気も何もあった物ではない。まさに「廃墟」。 詳しくは知らないが、当時の住民の人は「都会の孫が遊びに来ても家族で楽しめる」とかなんとか 良かれと思って建設したのだと思う。栃尾又温泉の下にある大湯温泉にも同様な施設が有り、こちらはもう少し使われているがさびしく温泉情緒もない。 コンクリートの大型の施設は運営経費が掛かり、廃墟のようになってしまう。 良かれと考えて併設された、運動施設や地域の資料館なども使う人も居ない。 建設にあたったゼネコンや地域の建設会社(地域産業)は良かったのだろうか。 これが、行政に予算がついてブームとして起こる地域振興事業だ。 なぜ、こんなことが起こるのだろうか。 皆、地域の事を考えて良かれと思い一生懸命活動したのだと思う。 私はちょっとしたボタンの掛け違いだと考える。 行政の担当者がにわかに全国的に主流になっている考え方を学び、地域の事は意外と良く知らないまま 時流に乗っかってしまうからに他ならない。 その結果、地域の住民や産業の為にやったことで産業は衰退し地域住民の不幸を招くのだ。 ブームの時にコンクリートの大型施設でなく、木造の手の込んだ日本建物にしていたら。 近隣の古い建物を移築して快適な空間に生まれ変わらせていたら。 今日も地元の大工さんで維持管理が出来て秘湯 栃尾又温泉の魅力の一つになっていたのではないだろうか。(実際に浴室は足りない訳だから) 地域の建設業者も「箱物行政」と言った社会批判の犠牲者にならずに済んだのではないかと考えます。本来の批判対象の行政ではなく業界が責任を取らされる理不尽さ。 行政は常に批判を恐れてか、時流に沿った活動に乗っかるように 予算を付けてしまいます。予算がつくから多くの人が

NADCに行って見ました。

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うちの事務所のグラフィック担当のスタッフに NADC に出てみなよ、と参加してもらったので審査会に行って見ました。 NADC とは新潟アートディレクターズクラブというクリエータの集まりで、年に一度審査会を開いて良い仕事を表彰し、その結果を本にまとめたり、クリエーターの交流をはかる団体なのかな。 グラフィックデザインじゃないから、と気にもとめていなかったのですが、最近グラフィック関係の知り合いが増え、うちのスタッフのレベルアップの為に参加した方が良いと考えました。 今年は初めてだから、2点だけ出品してみました。 カバサワの花ハサミと丸栄製粉のうどんのパッケージです。 とりあえず両方とも3次審査まで残ったので本には載せてもらえるようです。入選という事になるのでしょうか。 深く考えずにグラフィックデザイン作品のコンペくらいのイメージで出品してもらいました。 参加する人は、かなり気合の入った作品揃いで出品数もすごく多い。その年に手掛けた全ての作品を出すくらいの事務所も有りますね。 メンバー(私はメンバーではない)が3票ずつ投票していきそこにゲスト審査員の票を食わえ、1票も入らないものは除く方法で3次審査まで進み、上位10点を決めるようです。最終的に選ばれた10点の中から大賞とかゲスト審査員の特別賞とかを決めるようです。 審査は朝10時からお昼を挟んで夕方の4時過ぎまで続きました。 私は付き合い程度の気持ちで参加したので、審査の過程を見るというよりも面識のあるデザイナーの方に色々教えてもらっていました。 その中で気が付いたのですが、デザインのコンペでなくアートディレクションの審査会であるという事です。恥ずかしながら、そんな事すら考えず参加してました。他にもそんな人いますね。クライアントがちゃんといてアートディレクションによって輝きを増した仕事とデザインがカッコいい仕事は別ですね。 ADがどれだけ仕事を魅力的に変える事が出来たのか?を競ってる訳でデザインナーの仕事レベルを競ってないんですね。見ていて良くわかりました。 私自身は今までデザイナーとアートディレクターの区別が曖昧でした。自分の肩書もデザイナーというのにこだわってきました。もちろん、それは間違いでなく、私の環境では工業デザイン(プロダクト/インダストリアル)にお

鉄フライパンのハンドルについて

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鉄フライパンについてです。 FD STYLEの鉄フライパンは、もともとキッチンツールを扱っていただいてる販売店様から要望が有って作ってみよう!と企画してメーカーに持ち込みましたが却下され、苦心の末に現在は三条市のプリンス工業で製造してもらっています。 プリンス工業はそもそもはフライパンを製造するメーカーでは有りません。 フライパンの本体にあたるお皿の部分は、ツバメテックというメーカーで製造し、最大の特徴である窒化+酸化被膜は富山県で加工し三条で組み立てます。ハンドルの木の部分は岐阜のメーカーから。岐阜と三条は競合する部分も多いのですが、昔から相互補完的なやり取りが有る地域でもあります。 竹は木べらにも使われますが、水に強く成長が速いので環境にも優しい。何よりも竹と言われて想像できるという点が選択した理由です。 ただ欠点も有ります。一枚の板では到底厚みが足りないので集成しなくてはならない事。ふしの跡や加工の際に跡が残ってしまう事です。 ただ竹独特の雰囲気が好きなので気になりません。そもそも調理器のハンドルは飾って置くものではないので天然素材の味わいだと理解していただければ幸いです。他の製品で良く見られる日本の木はブナくらいで、天然木と表示されていますが輸入材が多いですね。 製品によってはハンドルは海外で製造したものを輸入して国内で取り付けたものを日本製としているものも有るそうです。近いうちに24センチの深型フライパンも加わりますよ。その次には26センチで厚さが2.3ミリも出る予定です。 (出るというよりは出したいに近い感覚ですね。小さなデザイン事務所なので乗り越えられない壁が有ります。)

フレームの新事務所の内見会に行ってきました。

ブログの更新がままなりません。自分の考えを整理する意味でブログをちゃんと書くことは大切ですね。 昨日は、フレームの新事務所の内見会に行ってきました。ヒッコーリーの迫さんやツムジの高橋さんデザインデザインの白井さんとご一緒しました。さらにIGの関谷さんに初めてご挨拶出来た。少しづつ新潟のクリエーターの方とお知り合いに。実際に面識が有るのと無いのではずいぶん違う。今まで自分はプロダクトだからと考えて来たけど、やっぱり近くに刺激を受ける存在は無いよりあった方が良いと思っている。 そんな刺激の中で感じるのは、ポートフォリオの充実を図らないとなぁという事。 綺麗な写真で残していきたい。もう少しちゃんとして行こう。 フェルームの事務所はカッコよかった。それ自体は羨ましいけどやっぱり作品を残すことが大事だ。しばらく流通にかまけて来たけどこれからしばらくはデザインワークを中心にして行こう。

JIDAシンポジウムは「カタチのありか」

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JIDA総会に合わせて開催されたシンポジウムに参加。JIDAとは日本インダストリアルデザイナー協会( Japan Industrial Designers' Association)です。一般の方がどのくらい知っているのでしょう。今回の シンポジウムは「カタチのありか」 と題し、和田智さんと澄川伸一さんのトークイベントです。  総会にほんの少ししか参加できませんでした。今回の総会では浅香理事長からGKの田中新理事長へ交代が発表されました。浅香理事長はいつの会えば声をかけてくださる優しい方で、昨年体調不良で入院されており、今回も喉の調子が今一つでしたので負担を減らす意味でも交代は仕方ないと思います。永い間お疲れ様でした。田中新理事長は挨拶で「昔はJIDAの理事長の名前はデザインの学生なら皆知っていた、もう一度JIDAの活動が認知されるよう活動する」力強く宣言されていました。 シンポジウムの方は和田さんのプレゼンテーションは初めて聞きましたが印象的でした。自動車メーカーの関係者の方が大勢いらっしゃった様ですが、観客を意識した発言も多く聞いていて楽しかった。造形に対する哲学的な部分も嫌になるほどではなく、分かりやすく感じました。JIDAの苦手なところに難解である事があるのですがそれが無かった。 澄川さんのプレゼンは澄川さんらしいプレゼンでした。私もRhino使っているので説明に用いられた線の間に面を張るという表現は具体的で分かりやすかった。2人の話は共通した点が多いように感じました。カタチを創るとかカタチにして表す作業を言語に置き換えるときニュアンスとして曖昧に捉えないといけないと思っていますがそう感じました。 シンポジウムの進行は田中新理事長が行いましたが、かなりアレンジを加えた進行でそれもダイナミックで面白かった。人柄を感じさせました。 懇親会の途中で退席し、偶々地下のフロアで行われていた富山デザインコンペ20周年記念トークイベントへ顔を出しました。中林鉄太郎さんが「秋田さんがよろしく言ってた」と教えて下さったので挨拶でもできればと降りて行きましたが既にトークは終了したようでした。 こちらの進行は桐山さんでしたが、桐山さんはまだ終わりそうも無く挨拶も出来ないので帰ろうとエレベー

東京Lobbyに参加しました。

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セメントプロデュースデザインが主宰する東京Lobbyに参加しました。 東京Lobbyとはセメントが元々大坂でやっていた異業種交流イベントで「友達の友達と友達になろう!」といったコンセプトの交流会です。先日話の流れで新潟Lobbyを開催させていただきましたが、セメント仕切りの(ホントは大坂が良いのだろうけど)Lobbyに雰囲気を感じに行ってみました。 新潟のようにトークイベントとかは無くいきなり飲み会がスタート。近くの人と名刺交換して話を進める、そんな感じです。 参加者の方は製造メーカーみたいな方は少なく、かといってデザイナーかというとそうでもない。新潟Lobbyが比較的デザイナーが多くて、行政やメーカー、学生、メディアといった人達で分かりやすかったのに比べると分かり難い人達という印象を受けました。 自分に課した課題として動く事、人に会う事を躊躇しないようにと思っているので出来るだけ多くの人と名刺交換しました。実際、この半年でそれまでの3年分くらいの名刺を使っています。そこから何か生まれるのかどうか自分には分かりませんが自分から動けるようにと思っています。 大坂はどうなのか?いつか参加してみようと思います。

interiorlifestyle Tokyou 2013

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interiorlifestyle Tokyouはデザイナーが新作を発表する場となっている。ギフトショーに比べると規模が小さく商品を良く見てもらえるからだろうか。 6月5日〜7日に東京ビッグサイト西館にて開催されたこの展示会のNICO「百年物語」ブースにトングを、la baseブースにコーヒーケトルを展示して貰いました。 直前まで会場に行こうかどうか迷っていましたが、東京LobbyとJIDAのイベントもあったので6日、7日と渋々出かけました。 私は他の人の商品に興味がないので展示会を見て回ろうという気が有りません。今回も百年物語のブースに居てバイヤーの方の意見を聞いていました。少しづつ知合いのバイヤーの方が増え来ているので手持ち無沙汰も有りません。 la baseは単独のブランドとして初出展ですが、燕の包丁メーカー藤寅のTojiroと共同ブースでした。la baseと言えば、料理研究家の有元葉子さんが全体をプロデュースする和平フレイズさんのブランドですが今後は独自にイメージ展開するそうです。私もいくつか商品デザインを担当させてもらう予定です。会場には有元さんもこられていて、少し打ち合わせさせて頂きましたが上品で素敵な方でした。お会いして直接話すとデザインし易さは随分と違って来ます。 百年物語ブースではFD STYLEブランドでtongsを展示しました。フッ素加工した黒いものとステンレスにブラストしたモノを展示しました。ビーズブラストのシリーズはFD STYLEの新しいライナップで指紋跡や傷が付きにくく柔らかな印象を与えます。 少しづつ売り場での露出も増えてくると思います。見かけたら手に取ってみてください。ピカピカに磨いたステンレスにしていないのは手軽に手に取ったフィーリングを重視しているからででも有ります。道具としての機能性へのこだわりがFD STYLEの特徴です。