2014年はすでに1月経ってしまった。

2014年も、もう1月経ってしまった。危うく1月更新が無い所でした。

2月にはててて見本市の出展が待っている。
今回改めてFD STYLEとは何か考えて纏めてみました。

新潟市にある工業デザイン事務所エフディーは新潟県内の製品デザインをして来ました。中心は産地問屋とメーカーです。産地問屋の仕事は売り場の情報に近く、メーカーの仕事は現場の情報に近い所でデザインをするわけです。燕や三条が中心なのでキッチン家庭用品が中心でしたが、前者は料理研究家やタレントを活用した企画で後者は職人技を活かしたものづくりになります。

その後、物が売れなくなり産地問屋は徐々に海外にシフトしていきました。海外へ開発が移れば産地の特徴などは無くなります。どのような素材も加工も可能になり、同時に差別化が出来なければなりませんが、利益を求めて有力な産地問屋は製品調達を海外、主に中国や東南アジアを中心に進めました。産地は徐々に活力を失って行きます。売るルートを持たないメーカーはどんどん無くなり、職人も減り、中でも若い職人のなりてが少なくなりました。私は強い危機感を持ちメーカーと協業で来ないかと考え始めました。そもそも、ものを売るための仕組み流通がものづくりの情報を阻害してると感じていました。

メーカーが自由に価格を決められないし、売場も自由に商品を調達しにくい仕組みになっていてこの仕組の中で自由に情報発信出来てユーザーとメーカーを繋げる役割をデザイナーが出来るのでは?と考え08年くらいから始めた取組がFD STYLE(文字通りエフディーのスタイル)なのです。

デザイナーである私はデザインの力を信じてユーザーへ訴求しようと考えました。機能を持たせた美しい造形が私のデザインです。機能は道具の持つ目的を高める事であり、美しい造形が人の心に訴え、手にする事で機能を実感できる道具が永く使える良い道具であると考えます。出来るだけシンプルに使い易く、それでいて心に残るそういうデザインを心掛けています。そのために、素材や加工法はもちろん、作業する「人」を知る事が大切で、自分が暮す新潟にこだわる理由です。

東日本大震災以降、自分達の暮らしの根本を見直そうという機運が高まり日本の良い道具が注目されるようになって来ました。クラフトから中量生産プロダクトの中で作り手の顔が見える安心な良いもの。正に私がメーカーと取り組んで来た事です。
注目されると色々な方が、それこそ著名人を使って日本の良い道具を表面上ブランディングします。苦笑する様な事ですが、やってる人達は時代の変化に気付いていません。作り手の情報と背景をネットと直接顔を合わせる事、両方をしながら時間をかけて作るものが伝わる時代になっています。

私は大量生産を否定しません。それを行っている企業の努力は本物です。ただ、私自身も産地の中小のメーカーもそれでは生きて行けません。
FD STYLEは商品ブランドではなく地方の工業デザイン事務所エフディーと産地メーカーの在るべき姿なのです。


コメント

  1. マジップゼロを購入しました。
    歯ブラシキャップのようなものがあれば、汚れた先端をきにせず、トングの広がりも気にならず、ケースにしまえるのですが、どうでしょうか。

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  2. ありがとうございます。返事が遅くて済みません。
    外したキャップをなくさないようにどこかにつけられると良いですね。
    シリコンのベルトの様なもので広がり止めをつくれないかとか考えていましたが、確かにキャップ形状なら汚れ防止になりますね。
    メーカー担当者との間で、出来るだけ環境に負荷のかからない素材を使おうとしていて、ケースの素材も汚れても良いからコットンになりました。
    色々検討してみます、ありがとうございます。

    返信削除

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