FDSTOREにて

 ちょっとだけ嬉しい事がありました。何かといえば、僕らの店で製品の修理を頼まれたことです。

そもそも僕らの店舗は宣伝もしていないし、1日1組お客さんがくれば良いというお店です。何故そんな店をやっているかという理由の一つが製品の修理を受けたいからです。僕らのデザインする製品は道具でしかなくて、長くは使えると思うけど永久ではありません。少しでも長く使ってもらう為には適正なメンテナンスがあ必要だけど、製品が安価なので買い換えた方が良いって思われやすい。

 FREITAG Store Tokyo Shibuya に行った時にこんなお店が良いなと思って始めたのがFD STOREなわけ。

僕らの製品で比較的修理の問合せがあるのはフライパンのハンドルの交換。これはハンドルの竹の部分とレンチを一緒にして販売している。もちろん新潟市のお店に来てもらえればその場で交換もできるけれど、そういうお客様は残念ながらまだいない。それ以外にメンテナンスが必要なのは花はさみだと思う。刃物は使っているうちに切れ味がどうしても低下してしまう。

FD STYLE 花はさみは刃が交換できる構造になっている。本来替刃を流通できれば良いのだけど簡単ではない。刃よりもハンドルの動きが悪くなったという声も多い。これは専用工具で分解し掃除すれば簡単に解消する。バネも交換式で交換できるけどバネを交換しなければ鳴らないケースはまれだ。

部品交換がなければ店舗では無料でメンテナンスを行なっている。プラスチックだからだめと考える人もいると思う。デザインする立場からすれば、プラスチックでなければできないことも、金属や木の方が良い物もある。

かくしてFD STORE設立およそ3年目で初めて修理を受け付けました。依頼内容は花はさみの「ハンドルの動きが悪い」というもので分解して洗浄して組み直すだけで解決しました。

ただ、刃が多少消耗しているのと湾曲してそっている。せっかくだから刃も交換しては?と提案したらお願いしますとのこと。

ちょっと心配だったのは刃だけが曲がっていれば良いけれど、フレームが曲がっていたら嫌だなぁ。新しい刃を付けてみたけど問題なさそう。プラスチックの傷一つ一つが道具として機能してきた跡なのだろう。


メンテナンス内容を記載した書類と一緒にお返しします。

花はさみ自体は先回のブログに書いたように廃番が決まっていてうちの在庫も限られています。それでも気に入って使っていただいている方のメンテナンスできることは嬉しいです。デザイナーはどんどん新しい製品を作り続ける職業ともいえるけど、創った製品を製品をゴミにならないように活動することも大切だと考えている。生産者の都合もあって無くなっていくことは仕方ないけれど、良い製品でも流通の事情でなくなることを知っている。

お客さんの手に渡った製品が長く使ってもらえるよう活動もしていきたい。

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