2023年の展示会Vol.2


2023年9月6日(水)〜8日(金)

京都DIALOGに続く今年2回目の展示会だが、今までと商業的に企画された展示会ではなく、自分達で企画して実行してみた。会場は東京下北沢にあるBONUSTRACKです。


これにはきっかけがあり、BONUSTRACKに店舗の募集があり、FD STOREで応募していたのですがそっちは決まらず「ポップアップをやってみませんか?」と声掛けいただいた。



FD STYLEは商品も増えてきてより多くの人に知ってもらいたいけれど、その為には実際に使ってくれる人との接点をもっと増やしたいと考えていたのでちょうどよい機会だと思った。京都DIALOGUEは一般の方が多く来てくれてとても楽しい。東京でもそうした機会になればと考えた。


どうせやるならと考えて、テーマを含め全体のディレクションはツバメテラスの田中辰幸さんに相談してみた。田中さんはツバメコーヒー店主であり友人だ。ちょうどツバメコーヒーとはコーヒードリッパーを開発中でもあり、お披露目を兼ねてそれを先行して販売してみようと考えた。


それがこの「工芸と工業のあわいにあるもの」と題したPOP UPです。


田中さんを通じて鎚起銅器職人 大橋保隆さんにも参加してもらい新潟県燕市の金属加工が今日に繋がるストーリーを感じられるものを取り入れました。FD STYLEは工業製品ではあるが、かなりの部分を人の手によって作られる。鉄と非鉄の違いは確かにあるが、金属加工という点では共通点も多い。加工硬化時のなまし(加熱してストレスを取る)など。



都心は「東京の生活者」が集まるとは限らないので下北沢はとても良い立地です。大橋さんによる鎚起銅器のワークショップも開催しました。私も初めて鎚起銅器に挑戦してみました。初めに思い切って形をつくらないと硬化して難しくなるとアドバイスをもらい、自分ではまずまずの出来だと思います。



BONUSTRACKには本屋B&Bもあるので、こちらを会場にトークイベントも企画した。工芸寄りの活動も行うデザイナー大治将典さんをゲストに田中さんと私の3人で「工芸と工業の境界線とは」をテーマに話した。



これはとても面白かった。大治さんは製造工程で生まれる個体差を許容する事では無いかと話していた。もちろん、すべて許容するという意味ではない。高いレベルの許容が製品一つ一つの個性として作品に変えうるのではないかという事である。私は大治さんがデザインしたJICONの「花かさね カップ&ソーサー」が好きだ。私自身は陶器のデザインをしたことは無い。こういう可能性があるなら陶器のデザインも悪くないなと思っている。


新潟にいるとプロダクト分野のデザイナーと話すことが少ないし、他の人の考え方に触れる機会が少ないのだけれど、とても面白かった。イベント後には参加してくれた中林鉄太郎さんを交えて楽しい時間を過ごせた。



思えば昨年冬に医学町ビルで開催した展示会「異素材の交差点」から共通するものがあるなと感じた。SNSを使うようになってブログの報告が「手抜き」になっているのを反省する。


会期が平日だったので、ゆったりとお客様と接することが出来た。京都DIALOGUEと比べると目的として訪れる人とたまたま通りかかった人の違いが有った。告知や連続性が違うから当然であろう。コーヒードリッパーは持っていたものはほぼ完売した。



この時用意したのは「黒染め」と会場限定の「溶接痕」であったが、大治さんとのトークイベントを経験したことで田中さんが「溶接痕」仕様を通常製品にしたいと後日言い出すことになった。会場限定で先行販売したパッケージは私がデザインしたまぎれもない「限定品」なので購入された方にもご容赦いただきたい。


医学町ビルの店舗を終了したこともあり、FD STYLEとして展示会参加を含めてどうするか考えているので今回のBONUSTRACKでの経験は貴重なものとなりました。参加してくださった皆様ありがとうございます! FD STYLE

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