特許とデザイン

デザインをしていると特許とは無縁でない。

以前10年までは経っていないと思うが、フルオープン墨つぼというコンセプトで商品開発を行った。

地元の建設大手であるF組などへのマーケティング調査を行い「第三世代墨つぼ」というテーマで墨つぼのフロント部分が大きく開閉し、糸切れ時の交換の手間を大幅に削減するとい画期的商品だ。

特許申請の際にメーカーの担当者から「特許の権利はどうしますか?」と聞かれ(紳士的なメーカーだな)と思いつつ「発明者の名前に私の名前を記載ください、そのほかの権利は譲渡しますから今後とも長い付き合いで行きましょう」と約束した。

月日は流れ、メーカーの担当部長が変わり、今ではまるで何事もなかったかのような対応だ。まぁ泣き寝入りというかソフトやデザインに対する評価もまたその産業である私達のの未熟な対応もしょうがないな、と感じていたところ、NOSGNR太刀川氏の漫画皿の一件を見ると、法的な」権利はもちろんであるが、ソーシャルな環境がそれを変えうる可能性があることを見せられた。

これからの、デザイン業界を考えると漫画皿の一件は画期的だった。

太刀川君の対応も素晴らしいものであった。

今後、権利保護にも力を入れるし、メーカーを安易に信用しすぎないことも、次代のデザイン業界を考えると私自身、もっとしっかりしていかなければならない。

一方で「ライバル企業に初めて真似をされた」嬉しそうに話すメーカーの担当前任部長の笑顔が今でも忘れられない。企業との信頼関係もビジネスを超えた喜びであることも間違いはない。


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