日本の良いものブームに思う。
日本の良いものがブームである。 地域を見直し地域資源として活用したり、若者が住める街づくりにリンクした活動も盛んである。 それはそれで良い。ただこういう時ほど気を付かなくてはならない。 行政に予算がついて何処もかしこも同じことをしているからだ。 数年前にふるさと創生の掛け声のもと日本各地に温泉施設が出来た。 秘湯で知られる栃尾又温泉に温泉センターなるものが作られ(今では一部の浴室のみが使われているだけ) 全く秘湯の雰囲気も何もあった物ではない。まさに「廃墟」。 詳しくは知らないが、当時の住民の人は「都会の孫が遊びに来ても家族で楽しめる」とかなんとか 良かれと思って建設したのだと思う。栃尾又温泉の下にある大湯温泉にも同様な施設が有り、こちらはもう少し使われているがさびしく温泉情緒もない。 コンクリートの大型の施設は運営経費が掛かり、廃墟のようになってしまう。 良かれと考えて併設された、運動施設や地域の資料館なども使う人も居ない。 建設にあたったゼネコンや地域の建設会社(地域産業)は良かったのだろうか。 これが、行政に予算がついてブームとして起こる地域振興事業だ。 なぜ、こんなことが起こるのだろうか。 皆、地域の事を考えて良かれと思い一生懸命活動したのだと思う。 私はちょっとしたボタンの掛け違いだと考える。 行政の担当者がにわかに全国的に主流になっている考え方を学び、地域の事は意外と良く知らないまま 時流に乗っかってしまうからに他ならない。 その結果、地域の住民や産業の為にやったことで産業は衰退し地域住民の不幸を招くのだ。 ブームの時にコンクリートの大型施設でなく、木造の手の込んだ日本建物にしていたら。 近隣の古い建物を移築して快適な空間に生まれ変わらせていたら。 今日も地元の大工さんで維持管理が出来て秘湯 栃尾又温泉の魅力の一つになっていたのではないだろうか。(実際に浴室は足りない訳だから) 地域の建設業者も「箱物行政」と言った社会批判の犠牲者にならずに済んだのではないかと考えます。本来の批判対象の行政ではなく業界が責任を取らされる理不尽さ。 行政は常に批判を恐れてか、時流に沿った活動に乗っかるように 予算を付けてしまいます。予算がつくから多くの人が