コーヒーポット

今回のギフトショーで好評だったモノの一つがコーヒーポットです。
これには、長い月日が掛かってます。(自慢にもならないけど)
3月中には発売予定です。もうしばらく御待ちください。

先輩のSさんがコーヒーをドリップするケトルの話をされたのをきっかけにドリップに興味を持ち、新潟駅南ケヤキ通りの「カフェ ドゥ ラ・ペ」マスターにお話を聞き「カフェドランブル」を知り、野田ホーロー「ランブルポット」を手にしたのは3年以上前だ。

ランブルポットもそうですが、ドリップする為に最も重要な要素は「そそぎ口」。その上で、家庭での使用に適したポットにしたい。造ってくれるメーカー探しからスタート。フライパンの皿(本体)を製造してもらっているツバメテックで「つる首」の金型発見し、アイボゥの大橋社長に企画提案して引き受けていただいた。この辺は他の地域の人には分かりづらいかもしれない。私達にしか出来ない22年の積み重ねです。




◎そそぎ口はいわゆる「つる首」その上でそそぎ口先端を延ばし、目で見てお湯を「落とせる」様にカットラインを変更、通常より細くプレスしました。

今回のギフトショーではコーヒーショップの方やコーヒー豆を流通しているバイヤーの方がこの「そそぎ口」に反応していただけていました。(余談ですが、皆さんランブルポット使ってると言ってました。)
こだわったカーブのラインをランブルポットと比較してみます。
つる首の部分は1枚のステンレスの板を何工程ものプレス加工で成形し上面で合わせて溶接し研磨によりつなぎ目を見えなくしています。



◎200ボルト IH対応(磁性を持ったステンレスSUS430の底)




◎ドリップし易いサイズ(ランブルポットより小さく)




◎本体はもちろんステンレス(錆びに強いSUS304)こちらも、ロール加工してハンドルがついている側で溶接し研磨によりその跡を消しています。




◎傾けても落ちないストッパー付きのふた。琺瑯はストッパー付けられません。




◎燕三条では当たり前の「磨き」やつや消しの「サテン仕上げ」では無くビーズブラスト仕上げとしました。これはAppleの製品と似た仕様です。アルミとステンレスの色の違いは有りますが、並べてもほとんど違いません。今回キッチンツールにも同じ仕様を発表しましたが、指紋のつきにくい柔らかな表情の仕上げです。ギフトショーでも好評でした。




写真ではライトの関係でちょっと違いが強調されてますが実物の違いはもっと少ないですよ。ステンレス製品の産地である燕三条では、ステンレスの研磨技術や研磨した上で着色する酸化皮膜といった加工を評価するところが有ります。もちろん研磨もステンレスの特徴の一つだと思いますが、他にも様々な使い方が有ると考えます。


その一つが「黒い」FD STYLEです。「ステンレスにフッ素してはげないのか?」と良く聞かれますが、フッ素加工のフライパンが1年くらいでくっつくようになり「フッ素がはげた」と経験上で感じているからだと推測しています。フッ素加工のフライパンは「はがれている」のではなく「熱により劣化」してくっつくようになっているのです。私達は、230度以上の高温で劣化するフッ素の特性を理解し、熱の掛かるフライパンにはOXYNIT(酸化+チッ化)加工した鉄を用いています。熱の掛からない製品に「手入れが楽」で「食材が見やすい」のでフッ素加工を用いています。


ちょっとした違いですが、他には無いステンレスの製品をデザイン出来るのが産地で活動する私達の強みだと考えます。


オリジナル製品を企画されている方の相談にものれますよ。


FD Inc.



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