燕で造られる製品紹介(その1)
私のクライアントの多くが新潟県の燕市や三条市にあります。この辺りは県央エリアと呼ばれステンレスの薄板加工について特に優れた技術が有ります。これは岩崎 一郎デザインのケトル。ブランドはパイレックス(米国)です。
ステンレス表面を鏡面仕上(ミラー)とブラスト仕上(艶消し)が有り、写真はブラスト仕上げ。このくらい綺麗に仕上がってる量産品を知りません。ある程度磨いて仕上げにブラスト打ってるそうです。汚れなのでしょうが黒ずんだりしがちですが、洗浄がきれいに仕上がっているのでしょう。iPhone 4の外周の仕上げに似た感じです。産地ではミラー仕上げの方が好まれます。傷がついても磨きなおせば部分的に補修ができる事も理由の一つです。
通常のケトルと違いフタの固定にシリコンゴムのパッキンを利用しています。デザイナーのこだわりなのでしょうが、この部分でかなりのコストアップになってしまいます。フタがフラットに見えるだけなら他の方法も有ったでしょう。
シリコンゴムの弊害がなかなかパチンとフタが閉まらない事。フタの手前を押しこまないといけません。ツマミがセンターで無く小さい事も影響しています。
パッケージは「デザイナー家電」といった雰囲気ですね。生産数は多くないようです。
スタイリングのバランスは凄く良いです。取っ手の部分もシリコンを焼きこんでいるので触感もとても優しくハンドルの取付方法も凝っています。とても良いデザインに仕上がっています。
これが造れるメーカーは燕でも限られます。
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