成型部品のトライ

 
プロダクトデザイナーの大切な仕事にトライの立会がある。プラスチック部品の金型が出来たときに試し打ちを行う、これがトライである。T1とかT2とか言う事が多い。トライの1回目、2回目という意味。
今回のT1はあまり上手くいきませんでした。反りが大きく条件だしで解消できません。全体は写せませんので一部の写真を載せます。ガスが逃げずに高熱になって焦げています。それにより条件出しがより難しくなっています。一般論として、引けや収縮による変形(反り等)は成型圧力を高くしたり、成型サイクルを長く取る事で調整します。ガスが逃げないと射出圧を高くする事ができません。
そうなると、ゲート位置の変更によってガスだ逃げやすくするのが一般的です。



今回のゲート部分です。タブゲートというゲート形状です。ホットニッパーで綺麗に処理しますと成型屋が言うのでこの形状にしました。個人的にはサブマリンゲートが好きです。
位置を移動して標準ゲートに変更する予定です。ゲート跡としては、サイドゲートもタブゲートも同じようなものです。

材料がショートしてないか、ウエルドは許容か、デザイナーが確認し金型屋と成型屋に指示しなくてはなりません。以前は皆自分より年上の人が多く、ビビってましたが最近はそうでもなくなってきて遠慮なく指示できます。クライアントの代わりにコストを意識しながら少しでも良い仕上がりになるようにプロダクトデザイナーの大切な仕事と思っています。
 
明日から事務所はつかの間の夏休みです。
 

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