IDSデザインコンペ2011 結果

IDSデザインコンペ2011の結果が発表された。

http://www.kenoh.com/2011/01/20ids.html

初めて入賞したのが、初めて出品した第2回のIDSデザインコンペ1992だった。
IDSに関して言えば過去12点出品したうち8点入賞している。
今年、2点出して両方入賞した。どちらも別々の会社で、多分初出展で初入賞、喜んでくれていると思う。今後、両社とも開発意欲が増すことだろう。それが一番うれしい。

プロダクトデザイナーは例えば試作品が出来て、確認するとあまりその後の事には係らないのが普通だ。インハウスでもグラフィック部門や販促部門に回ってプロダクトデザイナーは係らない事が多いと思う。しかし、うちの事務所は違う。過去12点出品したが申請書はもちろんディスプレイ、その後の説明等すべて自分達で行っている。Gマークも同様だ。高い確率で通るのは「想いを伝える」からだと思う。

今回確信したが、IDSの場合主催は実質新潟県である。作品はもちろんだが、企業のレベルに合わせた取組みかどうかを加味し、開発意欲を後押しするといった視点で審査しているのであろう。

IDS大賞のサントク「IMONO 両手鍋」は文句無しだ。持てば分かるけど軽い。同様の製品で「魔法のフライパン」があるが、とはいえ抜群の出来だと感じた。スタイリングは私ならもう少し無骨か逆に昨年のストーブのように優しいラインにする。でも、これは負け惜しみ。

ツインバード工業は入賞したビッグカメラとの「新潟家電」の他にも複数の出展があった。が、ツインバード工業の規模になれば単品の製品では良いものを出して当り前であろう。私の中では準大賞をあげたい。(偉そうだけど)

永塚製作所の「ゴミ拾いトング」については評価して欲しいポイントを絞って訴えた事が上手くいったのであろう。ゴミ拾いやどぶ掃除に使う道具はそもそもその目的で作られていない。火箸という炭や火の中の薪をつかむ道具をゴミ掃除用に流用したもので専用に開発すること自体が難しい道具である。あえてそこにデザイナーを使い取り組んだ姿勢やエコ活動に対する時代背景、それと実際に使ってみると凄く成果が上がった。新潟県工業技術総合研究所のデータで数値的にも実証された。そういった一つ一つの取組みを評価してもらえたのだと思う。きっとデザイン(スタイリングという意味)は要検討とかコメントされるだろう。でも、それが等身大のデザインなのだ。

川口工器の「OSSO」はうちのスタッフ高橋君の担当。なんだかんだで3年を費やした。モノづくりの難しさを実感できたと思う。デザイナーは直接製造したり手配したり出来ない。クライアント企業とそのスタッフを通じて製造をコントロールしなくてはならない。そういった意味で良く頑張ったし、こうして評価された事はとてもうれしく、感謝している。クライアントからも感謝されこちらもクライアントに感謝出来る私がデザイナーとしてもっとも嬉しい瞬間である。小林さんや西沢さん、白椿さん、きっと川口社長も喜んでくれるだろう。

結果でいえば100点満点と言ったところ。
サントク恐るべし、3年連続阻止に来年は大賞を目指してみよう。
 

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