デザイナーの役割って何だろう。

最近デザイナーの役割について考えることが多い。

例えば、共感できないものづくりを行っていると感じるクライアントだとして、仕事であれば違ったイメージにして使い手に伝える事を求められる時もある。しっかりしたものづくりをしているメーカーよりもそうでないメーカーの方がデザイナー求めているのかもしれない。ただその関係性は適正ではないことも多い。

時には売れている商品の模倣を要求されるのもデザイナーの役割の一つなのかもしれない。レイモンドローウィの著書「口紅から機関車まで」の中にもトースターの例で紹介しているが世紀が変わってもあまり変わっていない。

私は工業デザイナーという立場で何をするべきなのだろうか。

自分でものの流通まで関わるようになって、一つの答えが見え始めている。私の本当のクライアントは製品を使ってくれているユーザーと取り扱ってくれるお店だと考えることである。

仕事のやり方を変えることはとても難しい。実際に以前のようにメーカーや商社をクライアントとしてものづくりをする方が普通なのかもしれない。

FD STYLEの道具を使ってくれる人は、デザイナーがどう考えてどんなメーカーのどんな人が作っているのか、メーカーとデザイナーという作り手とそれを伝えてくれるお店と自分の夫々の関係を大切に考えて買い求めてくれる。1人1人求めていることは違うだろうけど、その人の代わりに自分が工場と交渉しものを作る事は楽しい。メーカーも金属だけに限らず広がってきている。色々な事が繋がって来てそれ自体が楽しい。

もちろん、良いことばかりではない。モノを作る為には初期費や製造ロットがありハードルは高い。一つづつ解決しなければならない。取組むメーカーによっても様々だったりする。

それでも、デザイナーの役割として見つけ出した一つの答えだと思う。国内に限らず海外にも広がりつつある。

今年中に自社のショールームを兼ねた店舗を作りたい。そこではワークショップや作り手の話が聞ける空間にしたい。全国の作り手を招いて色々なものも紹介したい。作り手と使い手をつなげる役割を果たしたい。

25年以上新潟で工業デザイナーを生業にしてきて今感じている私の役割だと考えています。
具体的になったらブログでも紹介したいと思います。

コメント

このブログの人気の投稿

鉄フライパンの安全性について

百年物語の鉄フライパン

金属も色々あって食品に触れる時、どの様に考えるかという事。