シアトルのように

人口規模で見れば、新潟市とシアトルは大きく変わりません。シアトルといえば、ボーイングやマイクロソフト、アマゾンといった企業が生まれた街。産業が街を育て、インフラや文化の厚みをつくってきた都市のイメージがあります。

新潟市も、新しい駅が完成して少しずつ変わってきました。駅ビルには県内各地の名産を集めた「ぽんしゅ館」や、新潟伊勢丹の「越品」などがあり、地域の魅力を束ねる場になっています。その一角「クラフトマンシップ」では、FD STYLEの製品も揃っています。

もしここからLRTが整備され、駅から真っ直ぐ南へ伸びていったらどうでしょう。途中でビッグスワンに寄り、亀田イオンを経由して工業団地まで。車両は新潟トランシスやJR新津車両製作所で製造されたものなら、まさに「地元で走る地元製」の交通です。想像するだけで少し楽しくなります。

新潟市の場合、発展する駅周辺に対して旧市街地をどうするか、という議論に力点が置かれすぎているように感じます。むしろ、発展の可能性が高いエリアに資本を集中させた方が街としては面白くなるのではないでしょうか。拠点性を高める中で、結果として旧市街地の新しい展開も生まれてくるように思います。

さらに新潟市には新潟大学があり、周辺から若い人が集まっています。卒業後もそのまま起業したり、働き続けたりしたくなる街になれば、都市の魅力はもっと広がるはずです。

新潟は金沢のように観光で人を集める都市とは違うと思います。むしろ、産業や暮らしを基盤にしながら、新しい都市像を描ける街。そんな未来を思い浮かべると、シアトルのように「新しい産業と文化を起こせる都市」として未来を語れるのではないかと感じます。

そして個人的には、工業デザイナーとして 駅や車両、都市インフラのデザインに関わり、若い人が定着したくなる街づくりに参加できれば嬉しいと思います。暮らしの道具だけでなく、都市そのものを形づくる一部に関われたら、それはとても面白い仕事になるでしょう。

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