SCAJ2025出展「コーヒーで染めたペン」
金属を大きく分けると、「鉄」と「非鉄」に分類されます。日本の金属加工の多くは「鉄」に関わる産業ですね。ステンレスも鉄の合金ですし、私たちが扱う燕三条の鍛冶屋も主に鉄を扱っています。
鉄は、硬いのに脆くないという面白い性質を持っています。ガラスは非常に硬いですが、衝撃が加わると割れてしまいますよね。柔軟な物質は柔らかいのが一般的ですが、鉄は硬さと粘り強さを併せ持っているんです。
では、「非鉄金属」はどうでしょう。私たちの身近にあるものだと、銅やアルミニウムが代表的です。特にアルミニウムは、軽くて加工しやすいため、様々な製品に使われています。
アルミニウムは鉄のように赤く錆びることはありませんが、白い粉状の酸化被膜ができる「錆び」は発生します。この錆びを防ぎ、耐久性を高めるための加工が「アルマイト加工」です。調理器具や食器には、安全性の観点からも欠かせません。
アルマイト加工は、アルミニウムの表面を電気分解によって人工的に酸化させ、硬い膜をつくる技術です。この膜には目には見えないほど小さな穴(微細孔)がたくさん開いています。この穴に染料を浸透させて着色するのが「カラーアルマイト」です。
この微細孔に染料を浸透させる際、化学染料ではなく、天然のものが使えないか? そんな発想から、私自身の新たな探求が始まりました。
目指したのは「黒」。そして、調理器具にも応用できるよう、安全性も考慮して「コーヒー」で染めてみることにしたのです。以前、デザインした「金属の塊から削り出したペン」がちょうどアルミニウム製だったので、まずはこのペンで試してみました。
化学染料ではきれいに黒く染まりますが、コーヒーでは狙ったような深い黒にはなりませんでした。
アルミニウムだからといって、何でもアルマイト加工ができるわけではありません。鋳造されたものは加工が難しく、純度の高いものが適しています。改めて「微細孔に染料を浸透させるだけで黒く見える」化学染料のすごさを感じました。衣類を炭で染める「墨染め」も、完璧な黒に染めるのは難しいと聞きます。
今回のSCAJ出展では、この**「コーヒーで染めたアルミペン」**を展示・販売します。完璧な黒にはならなかったけれど、一言では言い表せない、独特のニュアンスを持つ色に染まりました。
ぜひ、この探求のプロセスと、その結果生まれた唯一無二の色を、会場で直接ご覧いただければ幸いです。
今回の試みは、新しい素材や加工方法を探求するFD STYLEの姿勢を象徴しています。今後の製品開発にも、今回の経験を活かしていきたいと考えています。
会場(ブース: Coffee Village 22)でお会いできるのを楽しみにしています。
鉄は、硬いのに脆くないという面白い性質を持っています。ガラスは非常に硬いですが、衝撃が加わると割れてしまいますよね。柔軟な物質は柔らかいのが一般的ですが、鉄は硬さと粘り強さを併せ持っているんです。
では、「非鉄金属」はどうでしょう。私たちの身近にあるものだと、銅やアルミニウムが代表的です。特にアルミニウムは、軽くて加工しやすいため、様々な製品に使われています。
アルミニウムは鉄のように赤く錆びることはありませんが、白い粉状の酸化被膜ができる「錆び」は発生します。この錆びを防ぎ、耐久性を高めるための加工が「アルマイト加工」です。調理器具や食器には、安全性の観点からも欠かせません。
アルマイト加工は、アルミニウムの表面を電気分解によって人工的に酸化させ、硬い膜をつくる技術です。この膜には目には見えないほど小さな穴(微細孔)がたくさん開いています。この穴に染料を浸透させて着色するのが「カラーアルマイト」です。
この微細孔に染料を浸透させる際、化学染料ではなく、天然のものが使えないか? そんな発想から、私自身の新たな探求が始まりました。
目指したのは「黒」。そして、調理器具にも応用できるよう、安全性も考慮して「コーヒー」で染めてみることにしたのです。以前、デザインした「金属の塊から削り出したペン」がちょうどアルミニウム製だったので、まずはこのペンで試してみました。
化学染料ではきれいに黒く染まりますが、コーヒーでは狙ったような深い黒にはなりませんでした。
アルミニウムだからといって、何でもアルマイト加工ができるわけではありません。鋳造されたものは加工が難しく、純度の高いものが適しています。改めて「微細孔に染料を浸透させるだけで黒く見える」化学染料のすごさを感じました。衣類を炭で染める「墨染め」も、完璧な黒に染めるのは難しいと聞きます。
今回のSCAJ出展では、この**「コーヒーで染めたアルミペン」**を展示・販売します。完璧な黒にはならなかったけれど、一言では言い表せない、独特のニュアンスを持つ色に染まりました。
ぜひ、この探求のプロセスと、その結果生まれた唯一無二の色を、会場で直接ご覧いただければ幸いです。
今回の試みは、新しい素材や加工方法を探求するFD STYLEの姿勢を象徴しています。今後の製品開発にも、今回の経験を活かしていきたいと考えています。
会場(ブース: Coffee Village 22)でお会いできるのを楽しみにしています。
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